2013年に『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞した作家の山口恵以子さん。
遅咲きの作家さんですが、その経歴が興味深いです。
山口恵以子さんの経歴は?
山口恵以子さんは元食堂のおばちゃんです。
山口恵以子さんの出身は東京都。
東京都立両国高等学校を卒業し、早稲田大学文学部に進学しました。
早稲田大学を卒業してからは会社員や派遣社員として働きながら、文章を書くことを学んだそうです。
山口恵以子さんが学んだのは「松竹シナリオ研究所」
かつて松竹が運営していたシナリオライター養成の名門校です。
『私をスキーに連れてって』の一色伸幸さんを排出した学校でもあります。
松竹シナリオ研究所で学んだ後は、丸の内新聞事業協同組合で社員食堂のおばちゃんとなりました。
そして新人作家の発掘や創作の研究を目的として活動する新鷹会の会員となり、2007年に『邪険始末』で作家としてデビューされたのです。
山口恵以子さんはもともと漫画家を目指していたそうですが、出版社に作品を持ち込んだ際に「ストーリーは面白いが絵が下手」と言われたことで断念し、脚本家を目指すようになったそう。
大学を卒業して就職した会社はわずか3年で倒産してしまい、山口恵以子さんは派遣社員になりました。
そして派遣社員よりも安定するという理由で食堂のパートに転職。
気がついたらテレビ局のプロデューサーと同年代になっていたことから、脚本家の夢を断念し作家の道へ転向することにしたそうです。
大学時代から物書きを志し、波乱万丈ありながら55歳でついに松本清張賞受賞。
大学生から55歳まで夢を諦めずに書き続けたというのは、本当にすごいことだと思います。
独身?
Wikipediaには山口恵以子さんの生年月日がなかったので調べてみました!
1958年6月6日生まれだそうです。
ということは、2016年現在の山口恵以子さんは57歳。
89歳のお母さんと67歳のお兄さん、そして2匹の猫たちと暮らしているとのこと。
そう、57歳となった現在も山口恵以子さんは独身なのです。
現在に至るまでに山口恵以子さんは43回もお見合いをしてきたんだとか!
最初のお見合いは33歳の時で、40半ばの男性たちとお見合いする内に「大して好きでもないおじさんと結婚するくらいなら家にいた方が居心地も良くていいや」と思うようになったそうです。
そして現在では「小説と結婚した」と言われています。
猫と酒と小説
山口恵以子さんは面白い小説を書けるかどうかが大事で、他のことはどうでもいいそうです。
今は食堂の仕事も辞めて、基本的に毎日書いていればいいという生活がとても幸せだと語っていました。
そんな山口恵以子さんが小説以外で愛しているのが猫。
白猫のボニーと黒猫のエラを飼っています。
ボニーは乱暴者でエラはいたずら好き。
山口恵以子さんは2匹の猫たちに振り回される日々を送っているそうです。
どんなに振り回されても、猫のいない気楽な生活よりも猫のいる不便な生活を選んでしまうと、山口恵以子さんは仰っていました。
うちにも猫がいますので、その気持ちはよくわかります。
そしてもう1つ、山口恵以子さんが愛しているのがお酒。
『おばちゃん街道 小説は夫、お酒はカレシ』という本も出版しているほどの酒好きです!
松本清張賞の賞金もすべてお酒に使うと語っていました!
父の遺言で、水で割った酒は飲まない主義だそうです。
なかなか豪快な方ですよね。
夢を叶えて猫と一緒にお酒を飲んで過ごす生活、幸せそうで羨ましいです。