2016年5月14日に公開された
映画『殿、利息でござる!』を
見てきました。
映画のポスターからは
もっとコメディ色の強い
作品をイメージしていたのですが、
泣ける部分も多く
素晴らしい作品でした!
キャストが素晴らしい!
『殿、利息でござる!』の
主演は阿部サダヲさん。
コロコロと変わる表情が
とても魅力的でした。
特に瑛太さん演じる菅原屋に
何か良いアイデアはないかと迫る
子供のような期待を込めた目!
そこから何も策がないと悟った時の
落胆の表情との差が秀逸です。
菅原屋を演じた瑛太さんも、
バラエティではテンションが低いのに
役に入るとあんなにも
イキイキするんだなと感心しました。
ここぞという時に
声を荒げて相手を圧倒する演技が
素晴らしかったです!
冷酷な役人・萱場を演じた
松田龍平さんもさすがでした。
常にほぼ無表情で声のトーンも一定。
それが本当に冷酷な感じがしました。
それでもその無表情の中に、
感情の動きが感じられるのがすごいです。
ただ、ヅラが似合いすぎて
トレンディエンジェルの
斎藤さんに似て見えてしまいました(笑)
千葉雄大さんは童顔なので、
上の立場である千坂仲内という役は
最初は違和感を覚えたのですが、
板挟みになって意志が揺らぐ様が
非常の良かったと思います。
一生懸命に奔走する姿には
胸を打たれました。
『殿、利息でござる!』で
演技初挑戦となった
羽生結弦選手は伊達重村役。
もちろん他の役者さんに比べると
まだまだ初々しい感じはありましたが、
演技初挑戦とは思えません。
凛とした空気が殿様らしく、
羽生結弦選手に似合っていたと思います。
画面には登場しませんが、
ナレーションを務めていたのは濱田岳さん。
『殿、利息でござる!』の雰囲気に合う
落ち着いたナレーションを
聞かせてくれました。
今ブレイク中の濱田岳さんを
ナレーションのみで使うとは、
本当に豪華なキャスト陣ですよね。
泣ける!
主人公・穀田屋十三郎が
冷酷な守銭奴だと嫌っていた父。
その父がお金を貯めていたのは、
実は十三郎と同じことを
考えていたからだったのです。
夜逃げする一家からも
お金を取り立てたと噂されていましたが、
実は借金を帳消しにしたばかりか
さらにお金を渡していたことも発覚。
みんなから嫌われていたのに、
みんなのために黙ってお金を
貯め続けていたという事実が泣けます。
十三郎が養子に出されたのは、
自分の出来が悪いからだと
ずっと思い込んでいましたが、
実は弟は目が悪かったのです。
そのため兄の十三郎が
養子に出されたのですが、
目が悪いことを兄にも
悟らせなかった弟の
心情を思うと切ないです。
それまで嫌っていた
兄や弟の真実を知った十三郎の
心が揺れ動く様も切なかったです。
父の意志を継ぐために大金を出し続け、
ついには家業を潰してしまった
弟の生き方も泣けます。
最後に殿様が救ってくれて
本当に良かったです。
穀田屋の現在は?
『殿、利息でござる!』は実話。
十三郎も実在の人物です。
十三郎の穀田屋は
宮城県黒川郡大和町に
現在も存在しています。
現在の店名は「酒の穀田屋」
純米酒「七ッ森の四季」を生産しています。
穀田屋十三郎が生きていたのは
1720~1777年のこと。
その穀田屋が現在も
酒屋として営業しているって
すごいことですよね。
穀田屋十三郎の行動がなければ、
きっと吉岡宿は廃れてしまい、
現在も穀田屋が残っているなんて
なかったことでしょう。
自分の利益ではなく、
みんなのことを考えて
私財を投げ打って行動することができる。
そんな素晴らしい日本人が
確かに実在していたことを
「酒の穀田屋」の存在が
証明していますね。
『殿、利息でござる!』は
本当に素晴らしい作品なので
ぜひ多くの人に観てもらいたいです。
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